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＜マイルチャンピオンシップ 回顧＞

＜総評＞
前半3ハロンが34秒3であり、後半3ハロンも34秒3というイーブンペースでした。しかし、それまでのレース傾向を見る限りは外差しがバンバンと決まっていましたね。
また内ラチを通って脚を溜め、直線で馬場の真ん中に出した馬も好走しておりました。
今回は序盤から前につけていた馬には厳しいレースでした。ただ後方から末脚を活かした馬にも厳しいレースでした。ただ勝ち馬は後方からの競馬をした馬でした。1頭だけ強すぎでしたね。

では1頭ずつ見ていきましょう。

1着のナミュール
当日、急遽の乗り替わりでG1を勝利した馬は過去にいなかったということです。藤岡康太騎手は歴史に名を残しましたね。
この馬を管理する高野先生によると位置は想定していたよりも後ろだったようです。
スタートが抜群にいい訳でもなく、大外ですからね。高い位置を取るのは難しかったと思います。
ただここで無理に前につけていたら今回の勝利はなかったでしょう。
4角の時点では最後方という競馬でしたが、直線での末脚が凄まじかったですね。
同様の位置から末脚を活かした他の馬は5着が精いっぱいでした。しかし、この馬はレッドモンレーヴをふっ飛ばし、猛然と突っ込んできました。
展開が向いたという見方もできますが、それだけではないでしょうね。
この馬は上がり最速となる33秒0の末脚を使っておりますが、上がり2位のシュネルマイスターは33秒4です。この0.4秒の差は大きいですね。
京都で開催された過去7年間において牝馬の成績は0-0-0-18と奮っておりませんでした。しかし、牡馬が58kgを背負うのは今年が初めてです。牡馬が58kgを背負うG1になると56kgの牝馬が相対的に有利になると何度も述べておりましたが、結果的に今回もそうだったということでしょうか。
そして同様の期間において父ノーザンダンサー系は1-1-1-17と奮っておりませんでしたが、ハービンジャー産駒に限定すると1-1-1-1でした。馬券になったのは全てペルシアンナイトですが、過去にも開催の進んだ京都ではディアドラやモズカッチャンがG1で好走しております。開催が進んだ京都はハービンジャー産駒だったということでしたね。
しかし、ムーア騎手から藤岡康太騎手に乗り替わりが発表されてからの単勝オッズの落ち込みは凄かったですね。日本人はムーア騎手が大好きです。もちろん私も好きです。

2着のソウルラッシュ
4度目のマイルG1への挑戦でしたが、ようやく好走することができました。要因は3つあると思います。
1つはモレイラ騎手です。京都9レースの秋明菊賞でも1枠からスムーズな競馬で2着に好走しております。8頭立ての6番人気の馬でした。これを見てソウルラッシュへの期待度は上がりましたね。
2つ目は今の京都には内ラチ沿いを終始、走り続けた馬に有利な馬場傾向があったことです。スタートは微妙でしたが、良かったら前目の競馬をしたかもしれません。そこも結果的にはラッキーだったと思います。
3つ目はソウルラッシュ自体が内枠からの競馬が上手いということです。この馬はずっと外目の枠からの競馬となっておりました。前走の京成杯オータムハンデで初めて内枠からの競馬となりましたが、上手かったですからね。
このように3つの要因が全て重なっての好走であったという感は否めないでしょう。春の目標は安田記念になるかもしれませんが、枠、鞍上、馬場傾向を考慮して狙うかどうかを決めたいですね。

3着のジャスティンカフェ
この馬のことはずっと強い馬だと思っていたので好走してくれて嬉しかったです。
7番人気で3着ということですので「よくやった」と思われる方もいるかもしれませんが私としては突き抜けて勝利できなかったことが残念でなりません。
もうちょっと強いと思ったのですが、最後の1ハロンで甘くなってしまいました。
今回は中団からの競馬ができたことが良かったですね。ただこの位置からだと甘くなってしまうようです。当たり前ですが。
展開が上手く噛み合えばG1でも何とか好走できる馬という評価ですね。G1を勝つにはもうワンランク成長しなければいけないでしょう。ただもう5歳ですからね・・・。

4着のエルトンバローズ
連勝は4で止まりました。ただ今回のメンバーにおいて3歳で4着は立派ですね。
普段は前目につける競馬をする馬ですが、G1かつマイルでそういう競馬は難しかったですね。
内に入れようと思えば入れられましたが、常に外々を回る競馬を選択しております。私の感想ですが、ソウルラッシュの後ろを取るという選択肢はなかったのかなと思います。
外々を回り続けるロスの多い競馬では流石に厳しいでしょう。またその位置からの競馬で好走するにはキレ味勝負の展開に対応する必要があります。そこまでのキレ味はないように思います。
この馬にとって厳しい条件が重なっていたと思います。それで4着ですからね。今後が楽しみな馬になりますね。ディープブリランテ産駒の最高傑作になれるかどうかですね。
今のところはモズベッロが最高傑作でしょう。G1で好走していますからね。

5着のダノンザキッド
3年連続での好走は難しいということでしょう。
今回は複数頭の穴馬を推奨しましたが、この馬に関してはノータッチでした。
阪神競馬場には強いと思いますが、京都競馬場で好走できるイメージがなかったからです。根拠は勘と感覚でした。
一応、データ的にも過去7年間において前走520kg以上の馬の成績は0-0-0-15と奮っていないですね。この馬の屈強な身体は急坂を超えるために備わっていると思っています。
次は香港でしょうか。こっちは楽しみです。タフなレースに強いですからね。屈強な身体を持っている馬なので。中山は大嫌いという精神的に可愛い一面も持っておりますが。

6着のイルーシヴパンサー
良い競馬でしたね。やはり8枠が厳しかったのかなと思います。
4角で大外ぶん回しの競馬で届くほどの力はないでしょう。ジャスティンカフェのような競馬ができれば結果は違ったと思います。坂井瑠星騎手と岩田望来騎手の差も感じました。
ただ勝ち馬とは0.3秒差であり、上がり3ハロンは3位である33秒5です。これは十分ですね。あとハーツクライ産駒と京都マイルの相性も微妙です。この差もあったかもしれませんね。

7着のシュネルマイスター
朝に京都の芝が稍重のままであることを知って「これは厳しいな」と思いました。
スタートしてルメール騎手が早い段階で手綱を動かしているのを見て「飛んだな」と思いました。
スタート後にソーヴァリアントと思いっ切りぶつかっていますね。この現象をルメール騎手は「ソーヴァリアントコンタクト」と述べておりました。
最後は猛追しております。脚も余っていました。運がなかったですね。
この馬は開幕週の方が強い馬ですね。そして東京の方が力を発揮できるタイプです。
今回は適性、運、馬場が向かなかったということでしょう。
この馬の最大の弱点は後ろからの競馬となってしまうことです。今回は加齢の影響なのか追走にも手間取っておりました。やはりピークは過ぎているかもしれませんね。

8着のセリフォス
スタートして良い位置での競馬ができているなと思いました。ただ結果的に前につけていた馬には厳しいレースでした。そういった展開において常に外々を回る競馬では苦しかったと思います。
久しぶりであり、元々は気性面に問題を抱えている馬です。コントロールは難しかったと思います。
ただこの馬をコントロールできたレーン騎手は流石だなと思います。川田騎手も素晴らしい騎手ですが、そう感じてしまいました。川田騎手は日本でトップにいる騎手ですが、世界一の騎手を目指して欲しいですね。

9着のレッドモンレーヴ
マイルは長いでしょう。富士ステークスは来ましたけどね。
ベストは左回りの1400m、次に左回りの1600mという感じでしょう。
右回りのマイルは適性からズレていると思います。G3ぐらいならば戦えるかもしれませんが、今回は相手も強いG1です。そうなると今回の結果ぐらいが妥当な感じはしてしまいますね。

10着のエエヤン
良い競馬をしておりました。ただ展開的に厳しかったですね。
差し馬による末脚のキレ味が求められるレースはこの馬の適性と真逆でしょう。
ただ右回りかつ渋った馬場の時は狙いたいですね。G2以下で。

11着のビーアストニッシド
G1というか重賞級ではない気がします。OP特別でどうかというタイプでしょう。

12着のソーヴァリアント
ルメール騎手は「ソーヴァリアントコンタクト」といいましたが、池添騎手にも言い分はあるようです。レース後の池添騎手のコメントは以下の通りです。

「気合乗りがよく、ゲートも我慢していたけど、隣でシュネルがうるさい面を出していたので、スタートしてすぐ２回つまずいていた。４角ではいい感じだったけど、直線では余力がなかった」

思わず「両成敗でいいじゃない」が私の頭の中で流れました。

13着のダノンスコーピオン
近走の結果を見ると・・・ちょっと厳しいですね。復調をお祈りしております。

14着のマテンロウオリオン
お父さん、今回は前につけましたね。感動しました。
でも、前につけた馬には厳しかったですね。

15着のバスラットレオン
16着のセルバーグ
今回の差し、追込馬に有利な展開を作り出した2頭です。
この大舞台で自分の競馬はできました。立派でした。

以上がマイルチャンピオンシップの回顧でした。

ナミュールの鬼脚には驚きましたね。気持ちがいいぐらいにハマったように見えますが、同様の位置にいた馬たちは馬券になっていませんからね。この馬が強かったということでしょう。
ソダシ、ソングラインの後継馬として来年は頑張って欲しいですね。ヴィクトリアマイルは余程のことがない限り、崩れないでしょう。
スターズオンアースが2冠を達成した世代ではありますが、阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞で1番人気に支持されたのはこの馬でした。馬体が乏しく出世の遅れた馬ですが、4歳秋でついにG1を勝利しました。来週はそのスターズオンアースがジャパンカップに出走します。この世代の牝馬にも期待したいですね。イクイノックスを止めるのはスターズオンアースかもしれません。

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ジャパンカップですが現時点で狙ってみたい穴馬がおります。

それはダノンベルーガです。
前走の天皇賞秋は3着馬とアタマ差の4着と結果を残しております。良い競馬ができていたと思います。
身元引受人とはいえ今回もモレイラ騎手が継続騎乗してくれるのは好材料ですね。
ジャパンカップは内枠有利なので内枠が欲しいです。外枠なら切りたいぐらいですね。

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